注)私は、中学生の時から聖子ちゃんファンなもので、かなりひいき目にこの記事を書いております。
2014年、
そして2015年と
2年続けて紅白歌合戦のトリで歌った松田聖子さん。
2014年の紅白を終えた時、聴こえて来たのは
”高音が出なくて酷い歌!”
”あの溜めた歌い方、もう聖子も終わりだな!”
という批判でした。
☆2019紅白歌合戦 松田聖子は口パクじゃなかったと思う根拠は?
☆2019紅白歌合戦 聖子のせいで視聴率が最低って本当?
☆東日本大震災のために聖子が取り組んだこと
☆歌いたいのに喉が痛い!私がおススメする解消法は?
目次
紅白歌合戦での松田聖子の姿
2014年「あなたに逢いたくて」
一昨年の紅白歌合戦で聖子さんが歌った「あなたに逢いたくて」について、福山雅治がラジオ番組の中でこんな内容のことを言っていました。(完全なトレースとして言葉を起こせていなくてごめんなさい)
「紅白のトリは相当なプレッシャーを感じる舞台なんですね。あの松田聖子さんが声を震わせて歌っていたんですから。聖子さんって本当に歌が上手いんですよ。タモリさんにも『聖子さんってうた上手いですよねぇ!』って話したら『いあ、ほんっとに聖子ちゃんはうまいんだよ〜』って話になったんですよ。だから、紅白の、特にトリっていうのはすごく緊張する場所なんだなって痛感したんですよ。」
緊張している”という理由で 声が出なかった と、福山雅治がフォローしてくれてました。
そして2015年・・・
2015年「赤いスイートピー」
2回目ともなれば緊張も少しは和らぐんじゃないかしら?
だから、赤いスイートピー、期待していいかしら!
・・・なんてことはなく、
恐らく彼女のファンは彼女より”緊張”していたのではないでしょうか?
頭をよぎる昨年の「あなたに逢いたくて」。
恐らくこのショットは
「赤いスイートピー♪」の 「ス」。
きっとね、すんごくキツイと思うんです。
こんなに頑張らないと 「スイートピー♪」って歌えない状況。
まるで100mを全速力で走った後で歌うような顔してますね。酸欠か、息切れ状態であるかのよう...
「なんであんなに溜めて歌うの?プロっぽく見せたいから?もっと普通に歌えばいいのに。」
というコメントを見かけましたし、コンサートに一緒に行った友人からも同じような言葉を聞いたことがあります。
いえいえ、カッコつけてるわけでも、演歌っぽく演出しているわけでもないんです。
そうしないと、溜めないと歌えないんです。
松田聖子の声が出せない現状とは?
この頃はギリギリ高音を張って歌えていたんですね。
というか、松たか子さんは撮影しながら歌っていますけど、聖子さんは録音ですね、たぶん。
それでも 「シャツに」「咲いた」など、1つの言葉なのに、
「シャ ツに〜」とか「咲 いた〜」って歌ってますよね。
元来、聖子さんって言葉を大切に歌う方で、よっぽど、それこそ走り回るライブでは1語内で息継ぎしたりはあったかもしれないけれど、不自然なブレスって、あまりしない方。
録音でも続かないんだぁ、息・・・
って思いました。
高音を張って歌うためには、息を深く吸って、吸った息をお腹などの体の下の方におちつかせてから声にします。
そう、まるで凧を空にあげる感じです。
高く飛ばすためには、紐の端をしっかり掴んでおかなくてはなりませんよね?基点をがっつり定めないと、一緒に飛んで行ってしまいます。
今は、声を出すための仕込み時間が、普通よりかかるんだと思います。
また、高音部分まで地声で引っ張る歌い方なので、どうしても声帯と声帯の周りの筋肉が疲弊してしまいます。
高音ばかりか、比較的低い音域も、聖子さんは地声で歌うことが辛そうに見受けられます。
声帯の周りの筋肉が長い疲労の蓄積もあって、固くなり、伸縮が難しくなっているのではないでしょうか?
聖子さんがキャンディボイスになったのっていつ?
私は初めて白いパラソルを聴いたとき、本当にびっくりしました。
今までの発声と全く違っていたからです。
『青い珊瑚礁』や『風は秋色』の頃は力強く声を張って歌っていました。ところが・・・
♪お願いよ~、正直な~♪
『白いパラソル』では、全体的に柔らかく、ちょっと地声を弱めて歌っているように聴こえます。曲のイメージや、新しい松田聖子というブランディングのためかなぁと思っていたのですが、どうやら、それとは違う理由もあったみたいです。
NHKの特別番組で藤井隆さんとのトークの中で、藤井さんが、聖子さんの歌い方や声について
「素敵ですね~」
みたいなことを言ったんです。そうしたら聖子さんが
「歌っていくうちに、だんだんだんだん声が思うように出なくなって、、、苦しかった」
というようなことを漏らしていました。
今聞き返すと、まず「白いパラソル」あたりで、松本隆さんが詞を手がけるようになった時を経て、そして『秘密の花園』あたりからキャンディボイスへの移り変わったように聴こえます。
恐らく、声が出なくなる過程で、松本隆さん初め、聖子プロジェクトチームが伏線をはりつつ、力任せに歌わない、歌唱力重視の大人の歌手へと育てようとしていたのかもしれません。
慢性的な疲れとの戦い
★スーパーアイドルにもたらされる過酷な状況
当時のアイドルは、だいたい一日に2-3時間の睡眠しかとれず、それも車の移動中などが多かったとよく聞きます。
やはりスーパーアイドルだったピンクレディーの二人も尋常ではないほどの多忙を極め、売れている時代の記憶がほぼないに等しいほど、まさしく馬車馬のようにかけずり回っていたと言います。
売れている時がんがん稼がせよう!
売れている時にどんどん仕事がしたい!
事務所側も本人も、必死。
松本隆さんや大村雅朗さんらのプロジェクトチームも、ノイローゼになるほどの重責を背負い続けていたと言います。
ヒットして当然の仕事だったからです。
経営側も、作る側も、そして当然歌う本人も、ヒットして喜ぶまもなく次のシングルを“売るための次の戦い”が始まる・・・聖子さん曰く
「毎日レコーディングスタジオにいた気がする」
というほどの生活だったと言います。
また、女性の体力で全国ツアーに回ることが、実はとてもとても過酷なことだということはご存知ですか?
売れていなければ開催できない全国ツアー。
ですが、その仕込み、無理なスケジュール、移動、食生活、睡眠、気候・・・どれも安定しない中のコンサート。
普通の生活を送っていても体調、特に女性の場合には婦人科系器官への症状が現れやすいですよね。
中森明菜さんが一時期、情緒不安定のような状況だったと見聞きしました。またマライヤキャリーもです。
全ての女性歌手の方が同じとは言えませんが、芸能界という男社会、資本社会の中で”アイドル=女の子”として男性の仕事をしなければならないというのは、想像を超えた苦難があったと考えられます。
★睡眠不足で歌いつづけるということの弊害
ところで、みなさんは徹夜明けで歌ったことって有りますか?
徹夜カラオケでもいいです。
私は、夜勤の仕事を3日連続でした時、仕事から帰った朝、試しに歌ってみたんです。
3日連続の夜勤だったので、3日間、仕事明けの朝毎にです。
歌うって言ってもカラオケ程度ですけれど...
1)初日
「私、結構元気だわぁ!歌える歌える!」
と思っていました。当時40代だったのですが、まだまだ大丈夫!いけるいける! ってな感じです。
悠長なもんです。
2)2日目
多少頭と身体にだるさは感じましたが、それでも よしっ!! と気合いを入れて歌えました。でも、曲数が減ります。激減ではないですが、歌っていて楽しいと思えることが少なくなったように思います。
3)そして3日目。
頑張りたいけど、頑張れない。とにかくだるい。
声が出せる出せないではなく、声を出す気力がなくなりました。体中の気力がごっそりそげてしまったかのよう。
気合いだ!やる気はないのか!
そんな言葉が通用しない状況。とにかく眠い。
もし20代なら、1週間くらい徹夜が続いても歌えていたかもしれません。
でも、
そんな状態が続けば続くほど、体力があればあるほど
声帯や声帯の周りの筋肉にかかる負荷は相当なものになります。年齢が進むと、その負荷は右肩上がり。疲れという利子をどんどんつけて膨れて行きます。
でも、コンサートとなると体力と気力で補えてしまう・・・そして利子がまた増えて行く。
私は何十年もコンサートで彼女の生歌を聴いてきました。
時には「口パク」と批判され、ファンの間からも「ダンスしなくていいから、すべての曲を生で歌って欲しい」との声も多く上がっていました。
しかし、長く、できるだけ長く歌手として歌っていて欲しいのならそれもいたしかたないのだと、今は思います。
80年代、90年代と、音楽に活気があった時代に彼女はずっと歌い続け、コンサートで全国を回り、新曲を出し続けてきたのです。
あの時代に歌手として活躍し、かつ今も活動し続けている歌手はどれくらい残っているでしょう?
売り物になろうと、プロの歌手であろうとし続けている人。
売れるから歌う、歌うから売れる。そのループの中に長く君臨すればするほど、身体にかかる負担は雪だるまのように膨れ上がって行く。
今の松田聖子さんが声が出なくなっているのは、もちろん加齢もあります。でも、大きくな理由はあの当時に使い切ってしまった声帯と声帯の周りの筋肉の疲弊が大きいのだと私は考えます。
声帯はなかなかよくなりません。
きっと聖子さんにもトレーナーはついていると思います、だからあの程度で済んでいるはずなんです。
まだ歌っていてくれるだけで幸せだなと、私は思います。
注)私は、中学生の時から聖子ちゃんファンなもので、かなりひいき目にこの記事を書いております。
キーを下げると、元に戻すことが難しくなる理由
曲調を変えるためや、その日のコンディションで一時的に下げることはあるにせよ、苦しくて下げるのであれば、それを元に戻すのは一筋縄ではいきません。
聖子さんも、そして松任谷由実さんも、ここ数年でキーを下げざるを得なくなってますね。
キーを下げること自体が悪なのではなく、キーを下げてしまうと、それ以上下げられなくなり、結果、曲が成立しなくなるのです。
地声を使いすぎたために声帯や声帯の周りの筋肉が疲れ、自力では伸びたり縮んだり、開いたり閉じたりという動きをする力が無くなってきてしまう。
キーを下げることで、同時に裏声にスイッチしていく、裏声も使うという回路も作っていければいいのですが、
キー下げると楽チン!
と、声帯と声帯の周りの筋肉が、あくまでも地声を使い続けることをよしとしてしまう。このさき、また疲労がたまり声が出なくなるとまた下げる・・・を繰り返す危険性があります。
本当は、土台作りから地道に、時間をかけて取り組みつつ、歌っていかれればいいのですけれど・・・。
商売となると、なかなか難しいものなんですね、きっと。
松田聖子が、本来の歌唱力のある歌手として活動していくために・・・
聖子さんがもともと持っている歌の才能。
声質、リズム感、記憶力、言葉のとらえ方、表現力・・・
それらを存分に生かすためには、私は 過去の作品を捨てる ということがとても重要だと思います。
松田聖子に過去のヒット曲を歌わせない
ということ。
あの頃の曲は、すでに今の彼女には合ってないのです。音域も声量も、、、なんと言っても自分にとっても聴き手にとっても、その記憶とは完全に釣り合っていない。
お互いに過去に縛られている。
80年代という、ある意味音楽にとってマンモス的な時代の呪縛を脱ぎ捨てる。いつまでも「赤いスイートピー」を歌わせることないと思うんです、私は。安泰路線を一旦は脱却する。
そういう意味でも、アメリカ進出はよかったんだと私は思っていました。成功するしないが重要なんじゃない。
例えば60歳を越えてからもなお、「赤いスイートピー」を原曲のキーで歌える歌い手であったら、どんなに素晴らしいでしょう!
歌が上手くなる方法<後半>でも提案した方法、
自分が歌って、うまく聞える歌を歌う
という勇気が必要なんじゃないかと、私は思います。
まとめ
長年、第1線で歌い続けてきた、本当はとても喜ばしい実績が、実は今の歌手・松田聖子を逼迫しているのではないかと私は考えます。
高音が出ない、声が出ないと紅白歌合戦の歌唱について批判を受けています。それは事実です。実際彼女は声を出せていません。過去の彼女と比べてというより、歌手として、声を出すということが苦しそうにすら見えます。
その点について否定するつもりはありません。
私は聖子ファンなので、松田聖子さんがありたい歌活動ができればそれで大筋いいのです。ただ、見ていて、聴いていて、今の松田聖子の歌唱が、必ずしも彼女が望んでいる状況だとはどうしても思えない。
松田聖子という歌手の功績も十分に認め、讃えるからこそ、ファン自身も彼女に対する姿勢や要望を考え直さなくてはならないのかもしれないと、そう思っています。
注)私は、中学生の時から聖子ちゃんファンなもので、かなりひいき目にこの記事を書いております。
コメント
[…] 2014年、2015年と紅白連続で歌い、世論からかなり激しいバッシングを受けた聖子ちゃん。確かにあの歌唱は見ているだけでも辛く悲しさを感じさせる姿でした。 […]
[…] ⇒2015年の紅白歌合戦での松田聖子 […]
[…] →それについてはこちらのブログを参考になさってください。 […]
[…] こんな記事も読まれています。 ☆2018年紅白前半で聖子がこの曲をカバー? ☆東日本大震災のために聖子が取り込んだこと ☆紅白で歌った「赤いスイートピー」が酷評だった理由は? […]