昨年、NHKスペシャルや「あさイチ」や「紅白歌合戦」で大注目だった”AI美空ひばり”。みなさんはご覧になりましたか?
AIひばりさん、確かにっぽいけど、いくら時が経ったからってあんなにクッキリほうれい線を付けなくても^^;それに彼女の高音はもっとしっかりしてますよぉ。あんな抜けた音じゃない。あと歌う時の首の角度ね。違うんだよねぇ。ちょっとうまいモノマネ芸人みたい。https://t.co/hBaNWUOGrh
— えりねーさん (@Panda80DA) January 1, 2020
この写真見ても「?」って思うんですよ。
似てはいるけれど、AIで複顔してるわりにはクオリティ低いなぁと。
(ま、完全復元にはならないってラインで逆を言えば安心ではあるけれど)
でも、声は確かに似てます。似てるっていうか本人の声紋から作った音だから本物なのかぁ…。この技術がもっと簡単になったらオレオレ詐欺の成功率ってもっと上がってしまうかもしれませんね、あー、くわばらくわばら。
それはともかく、私の美空ひばり愛が低いから感激しないのかな?だって天童よしみさんなんて泣いてましたもん。
今日はそのAI美空ひばりについて書いてみます。
目次
AI美空ひばりの歌
AI美空ひばりには新曲が作られました。AIが解析した美空ひばりの声や歌い方を踏襲しているAI美空ひばりが歌う曲です。
「あれから」
このプロジェクトのために作られた歌のタイトルは「あれから」。
作詞
作詞、そしてプロデュースは秋元康氏。美空ひばりさんが生前最後のアルバムをプロデュースし、名曲「川の流れのように」「愛燦燦」の作詞もなさってます。
作曲
佐藤嘉風 (さとうかふう)さん。乃木坂46にも楽曲提供したこともあるシンガーソングライター。
↓こんな方です。
美空ひばりさんの新曲「あれから」
— 佐藤嘉風 (Kafu Satoh)official (@SatohKafu) September 29, 2019
作曲にて佐藤嘉風が参加させていただきました。
秋元康さんの素晴らしい歌詞に、胸がいっぱいです。
本当にこの度は、ひばりさんが導いてくださったご縁に感謝すると共に、音楽の奥ゆかしさや、技術者の方々の愛の大きさを、改めて感じさせていただきました。 pic.twitter.com/gLEeKnd4n6
このプロジェクトに寄せられた曲は数百と聞いています。その中から秋元康氏がイメージする言葉や思いに合う曲が選ばれたとのこと。
でも実は、あさイチでこの曲が紹介された時、作曲者の名前は表示されていなかったんです。ヒドイでしょう?
秋元康と天童よしみは表示されてたのに…
しぐさ
映像化されているひばりさんの口の動かし方や発音の仕方などをAIが解析、学習してAI美空ひばりが作られたとのこと。
また、歌う時のしぐさとかマイクの使い方、姿勢、手振りなんかは天童よしみさんがモデルとなって動かれたようです。
天童よしみさんは美空ひばりさんを師と仰いでいて「ひばりさんならこうしてます」的な感じでプロジェクトに関わったとか…まあ振り付けですね。
声
これは、これまでの歌音源のすべてや、息子さんが小さい頃にひばりさんが録音した読み聞かせだったかな?の音声をAIにぶち込んで解析し、学習した音を使っているようです。
ただ、曲にはセリフが入っているのですが
”これまでセリフが入った曲がなかったので、開発者は当初とても苦労した”
みたいなことが漏れ聞こえてきたのですが、「悲しい酒」ではセリフありますよねぇ?おかしいなぁ。
ま、そんなこんなで、息子さんが持っていた読み聞かせのテープが大活躍したってことなんです。
「悲しい酒」だけじゃ音源(データ)が足りなかったってことなのかな?
PV
プロモーションビデオと言っていいかもと思って勝手にPVとしてご紹介してしまいます。
この映像はNHKが用意したものです。どうぞご覧ください。
AI美空ひばりは必要だったか?
私が必要だとか不要とかって言える立場ではないのですが、
単純に技術に対して賞賛できたとしても、プロジェクトとして感動しない
そんなところでしょうか。
私は歌とか声に関してちょっとこだわりがあるので、このAI美空ひばりを見て、歌を聴いた時、
「えー、これはひばりさんじゃないでしょー?モノマネじゃない!モノマネ」
って思っちゃったんです。
====ここから下はちょっと小難しい戯言を書いているので、もしご興味があれば、読んでいただけたら幸いです。====
ひばりさんって、歌う時のマイクの使い方やマイクの位置、首の使い方、特徴があるように私には思てたんですが、全然ないんですよ、AIちゃんには。だから高音も喉の位置を変えずに響きを音にできたと思うんですね。
何を言っているのかというと、たいていの方は高音になると響きが変わるんです。低音、中音、高音とそれぞれ喉の位置が変わって響きも変わってしまうんですが、ひばりさんって変えないんですよ。
それと高音に飛ぶ時でも首の角度をあまり変えない。頚椎で音を作らないっていうか、、、。みなさんもカラオケで高い音を出す時、ちょっと首を使って下を向いたり、逆に首を反らして上を向いたりしませんか?
それがね、私の記憶している限り、ないんです。オペラ歌手の方もあまり変えませんよね。
頚椎の使い方が、まあ機械だから骨という概念がないので仕方ないんですけれど、頚椎の使い方が特徴的だとしたら、おそらく背骨や骨盤、仙骨なんかの脊髄の使い方も特徴的だったと想像できます。
もしAIが脊髄、骨の概念を体得したらAI美空ひばりはもっと進化すると思ってしまいました。
でも、極論、AIで完全復活とか復元とか、私は要りません。もしWhitneyHoustonが復活しても、興味本位で見るけれど、嬉しくはないな。だって彼女の魂までは復元できないからねぇ。
========
極論、AI美空ひばりは要らなかったかなと思う。でも今回の映像を見て、完全復元されなくて、まだそこまでいってなくてよかった、とも思えました。
モノマネ芸人さんよりちょっと本物っぽい感じ、くらいでとどまってくれて。私はモノマネ芸人の方がいいかな。背骨も脊髄もある人間だしね(笑)
さいごに
あ、今思い出した。NHKででっちゃん(出川哲朗)の亡くなったお母さんをAIで映像化して、彼と会話ができたっていう番組があったな。その会話しているところしか見ていないから、どういう経緯でお母さんと話す内容のデータを収集したとか、どういう会話が成立するようにプログラムしたとかっていう詳細を見なかったのですが、出川哲朗さんは「生前、言えなかったことが伝えられて嬉しい」みたいに言っていたんですね。
まあそれはそれでいいなぁとは思う一方、AIに言って欲しいことを言わせたとすると、ちょっとちょっと、これは由々しき問題なのでは?って思うんです。
故人って、それだけで洗脳能力が高いっていうか、自分たちの神を作った信者が暴走するように、その人の深層心理の”欲求”を割り出したAIが故人の姿を通して語りかけてたとしたら、それこそフォースの暴走を招きかねない。
なーんて思ってしまいました。難しく考えてしまうのが私の悪いクセっ…
お気に障りましたらお許しくださいませ。
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