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咲く羅ーSAKURAー /ゑり音
往き交い過ぎ行く巡る季節の風の中で
この坂 桜雨 並木道に降り注ぐ
流れる時はいつからどこから誰の元に
私の明日はまだ見えない坂の上から
らららら歩いてゆく刹那の時刻迎えにゆく
この両手天高く広げながら
らららら手のひらに降り積もりし桜雨
花びらの重なりは時を映す
らららら歩いてゆく刹那の時刻迎えにゆく
この両手天高く広げながら
らららら手のひらに降り積もりし桜雨
花びらの重なりは時を映す
咲く羅の絨毯
桜の季節に
作詞/作曲 ゑり音 2009年
この音源はスタジオで試し録りしたもので、まだ未発表の曲です。
この歌の舞台は 伊豆高原 です。
伊豆高原には立派な桜並木が坂になっていて、上の方まで続いています。
「さくらのトンネル」
とも呼ばれています。
山の上の方には、泉郷伊豆高原ホテルがあり、そこへの途中にはプールなんかも見えます。
満開の桜の中を歩くと、絶え間なく桜が散って、まるで歌舞伎の舞台で、雪が降るシーンのように、実に奇麗に桜が雨のように見えます。
一度だけ、大嵐の中を歩いたことがありました。
しかも満開の桜の季節に、、、です。
雨も降れば桜も降る、雨も舞えば桜も舞い、雨に打たれりゃ桜も泣くっていうような、雨と桜のどんちゃん騒ぎ的光景でした。
傘は役に立たず、来てるものも持っていたショルダーもびしょ濡れ状態となってしまいました。
晴れでも雨でも
その桜のトンネルを通る度に、時間の経過を感じます。
未来はこの坂の上にあり、過去は今この坂を昇っている時に作られる。
だから、私は未来という過去に向かって歩いているんだ。
という、実感を得ることが出来るんです。
そんな想いを書いたのがこの 咲く羅 という曲となったのです。
櫻の園/松田聖子
この歌は 作詞:松本隆 作曲:大村雅朗 によるもの。
このコンビでみなさんがご存知の曲と言えば『Sweet Memories』です。
作曲者の大村雅朗さんは1997年に46歳の若さで逝ってしまいました。
もともと郷ひろみの曲を手がけており、聖子さんは郷さんの紹介で大村さんと出逢ったようです。
ただ、聖子さんも大村さんも同じ福岡出身で、しかもご自宅がとても近かったそうで、聖子さんはとても信頼なさってたみたいです。
それを感じることができるエピソードがあります。
ある日、福岡の自宅にいた聖子さんは、ちょっとしたことから家族と喧嘩をしてしまい、その勢いで家を飛び出してしまいました。
向かった先が大村さんのお家。
いきなり自分の家に飛び込んで来た彼女に
「松田聖子がこんなところに来たら、マスコミが何を騒ぐかわからない!彼女を守らないと!」
と、彼女を諭し、無理矢理自宅に帰したそうです。
「私もバカだったわよね。でも、他にいくところが思いつかなかったんだもの」
聖子さんは後日、そんなことを口にしていたそうです。
当時、松田聖子と言えばスーパーアイドル。
そんな彼女が、理由はどうであれマスコミの餌食になるような行動は決して避けなければならなかった・・・
「いやー、焦りましたよ、ほんとに」
と大村さんはおっしゃっていたそうです。
その大村さんが亡くなって数年後。
松本隆さんは、大村さんの
「この曲をいつか聖子に歌わせたい」
とずっと暖め、実現しないままにっていた曲に詞をつけました。
それがこの 『櫻の園』 です。
大村さんとのことを思い出す聖子さんは
「今は、独りで戦っているような気がする・・・」
と語っていました。
そんな背景を感じながら聴くと、また違って聴こえてくるかもしれません。
経る時(ふるとき)/松任谷由実
千鳥が淵のほとりにフェヤーモントホテルが舞台となったこの歌。
私はこの詞の中の”時間”の描き方が、たまらなく好きなんです。
桜が散る、時が過ぎる・・・だから 経る時。
ホテルは2002年に取り壊されてしまいました。
千鳥ヶ淵の桜並木、水面を埋め尽くす桜の花びら。
今までありもしなかった風景が目の前に広がる。まるで描きかけの絵画のように。
桜が咲くと、もしかしたら姿も見えてくるかもしれない...
年に一度だけ、老夫婦が待っているのはあの頃の息子達なのかもしれません。
私が待っているのは、二度と戻らない、あの頃の私なのかもしれません。
京都物語/梶原秀剛
『京都物語』と聞くと原坊こと原由子さんが有名ですよね。
でも私はこちら、私が愛して止まない、梶原秀剛さんの『京都物語』をお送りします。
梶原さんの代表曲は、中森明菜さんへの提供曲『月華』や、火曜サスペンス劇場主題歌『体温』など。
もしかしたらカラオケで歌ったことがある、って方、いらっしゃるかもしれませんね。
この曲『京都物語』は、梶原秀剛さんがシンガーソングライターとしてデビューした時に作った曲。
最初はもっとスローでギター弾き語り曲だったらしく、CD化の際にはご本人としてもかなりイメージが違った仕上がりになったようです。
アレンジは井上鑑さん。
梶原さんは京都の大学に通っていたことから、京都はほぼ地元に近い存在だったみたいですね。
詞の内容は、遠距離恋愛ではなく、別れを選んだ恋人同士の桜舞うさよならの夜を描いています。
私はこの他この曲がお気に入りで、3ヶ月ほど、この曲しか聴かない時期があったほど。
私だけではなく、当時この曲に衝撃を覚えた方も少なからずいらっしゃったようですよ。
いよいよ、京都の桜が奇麗に見える季節となります。
京都の持つ、静かな情熱が、この曲から感じられて仕方ありません。
まとめ
桜をモチーフにした曲とその裏話の紹介をしました。
・私、ゑり音のオリジナル曲「咲く羅」
伊豆高原の「さくらのトンネル」を舞台に描いた曲です。
・松田聖子『櫻の園』
故大村雅朗さんが、生前「聖子さんに歌って欲しい」と書いた曲。大村さんの死後、松本隆さんが詞をつけ故人を追悼しています。
・松任谷由実『経る時』
千鳥ヶ淵を舞台に描かれたこの曲は、桜とともに、時間や時代の経過を見事に描いた曲です。
・梶原秀剛『京都物語』
京都の夜に別れて行く恋人同士の姿を描いた曲。京都のお花見に、もしかしたら彩りを添える曲になるかもしれません、、、
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