いま注目の陶器のデザイナーである河原尚子さんがセブンルールで取り上げられるんです。
河原さんは実家の家業である陶芸に違った角度からアプローチし、器デザイナーとして新しい陶器や和食器、また新しい日本文化を切り開こうと取り組んでいる方。
先日、河原さんが能を芸術文化として世に広め、現代にまで大きな影響を及ぼしている”世阿弥”の『風姿花伝』ことを話している記事を目にしました。
私も世阿弥の『風姿花伝』を読んで舞台芸術や舞台に立つ立場のことを考えたことがあったんです。なので河原さんにとても興味を持っていたところだったんです。
プロフィールなど、あまり見ていたなかったので、今回ちょっと調べてみました。
目次
河原尚子さんについて
河原尚子 プロフィール
38歳、2児の母。京都出身。同志社女子短期大学卒業。
京都で約350年続く茶陶「真葛(まくず)焼」の窯元に生まれました。兄である長男が後継者となることが決まっていたため実父から「陶芸だけはするな」と言われて育ちましたが、友人の父からのアドバイスが胸に響き、父と同じ陶芸の道へ。まずは京都府立陶工高等技術専門校や京都市工業試験場で基礎を身につけ、その後、佐賀県武雄市の陶版画家に弟子入り。技術はもちろん、心構えなど、陶版画家としての姿勢を身につけていきました。さらに、2005年からは京都にて技術力やデザイン力を養うため、陶版画家活動をしつつ、Webデザイン会社に勤めました。
現在は2009年10月に法人化した自身の工房「SpringShow Studio」にて、陶版画家として独自の画法による作品を製作、さらに独自のブランド「SIONE」では有田焼や友禅染めを取り入れた商品開発をするなど、和の文化としての新しい可能性を追求しています。
河原尚子のお店は?店舗情報
2016年7月に京都市左京区にopenしたカフェ併設のお店。
名前は「SIONE」。
河原さんが企画、デザインした器に盛られたお菓子などをいただけるカフェもあります。
SIONEのインスタ
こちらがSIONEのインスタグラムです。
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この写真に写っているお皿、描かれているのは新月から数日後の細い月。周りには流れ星が見えてくるような、とっても綺麗な絵付けですね。
クリスマスにはケーキ、お正月には和菓子を乗せてもしっくりくる、河原さんが作り出す新しい和食器の形を垣間見せてくれるような気がします。
店舗で出しているお茶とお菓子
SIONEで出しているお茶とお菓子は、お菓子専門店の「お菓子丸」さんのお品。杉山早陽子さんが手がける、自然の色や形を活かした独創的なお菓子は、その豊かな表情が器と魅力と相まって、素敵な時間を提供してくれています。
こちらがお菓子丸さんのインスタです。
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こちらの和菓子は本当に純和風な、お抹茶と一緒にいただきたいような和菓子ですよね。見ているだけでも繊細な職人さんの技が伝わってくるようです。
これを口にしたらどうなんだろう?
想像してしまいます。
SIONEへのアクセス
住所:京都府京都市左京区浄土寺石橋町29
電話:075-708-2545
営業時間:Shop&Cafe 午前11:30〜午後5:30 (L.O. 午後5:00 )
定休日:毎週火曜日(他 不定休有り)https://elinesan.tokyo/wp-admin/post.php?post=792&action=edit#
河原尚子さんのセブンルール
テレビの中で、河原さんが日々大切にしている7つのこと。
1.器の余白を大切にする
食器は食べ物を乗せて使うものだから、余白を大切に絵付けをして、食べ物を乗せる場所の邪魔をしない。
2.成形は職人に任せる 自分がどんなに頑張っても絶対に敵わない職人さんを目の当たりにしてきた。だからこそその道のプロに任せることで、より高い質の製品を生み出すことができるのだ。
3.職人に会うときはヒールを履かない 職人さんのところに訪れる、、、それは、相手の神聖な場所にお邪魔させていただくのだから、できるだけ相手の領域を侵さず、同じ目線でいられるように努める。
4.オリジナルソングで子育てする ちょっとしたことでも歌にしてしまう。例えば「むぎちゃんはねんね〜」などの言葉に簡単なメロディをつけて(というか鼻歌をそのまま声にするような感覚)歌い、語りながら寝かせるとか、”早くしなさい!”と言いたい時にでも歌にして伝える。「言葉にするとキツくなってしまうことでも、できるだけおもろくしたい」。
5.2〜3ヶ月に1回、ウィスキーをたんまり飲む 人の手によって大事に大事に、何年もかけて作られてきたウィスキーが、河原さんは大好き。お子さんがお泊りに行くなど、夜に出歩ける時間には恋するウィスキーをたくさんいただいて、自分のネジを締め直す。
6.やり方を押し付けない 絵付けをしてくれるスタッフと一緒に作業をしている河原さん。やり始めには方法など自分のやり方を伝えるのだが、自分のやり方が絶対ではないからその先は個人の創意工夫も尊重する。相手の中にヒントがある時もある。
7.やらないことリストを書く 育児でパニックになりそうな時 |
デザイナーとして、母として、人として、それぞれのシーンに分かれているように見えますが、しきたりとオリジナリティ、束縛と解放という大きなテーマがあるのかな?と感じました。
自由とは、束縛がないと生まれてこない思考です。オリジナリティとは、基礎とか、定番を知らないと比較ができません。
河原さんの生まれた古い伝統を受け継いできた歴史があるからこそのオリジナリティであり、自分を締め付けているものがあるからこそ、そこから解放される方法を、生き方を工夫しているんじゃないのかな?と思いました。
河原尚子さんのモノ造りへの思い
河原さんのブログに河原さんがどのような思いでモノを作り、そして起業したのかがわかる投稿がありました。
私の職業である
デザイナーと立ち位置や、
「デザイナー」という職業がただ、物をつくるということだけでなく、
世界をつくる、そして今の時代をよりよくしていく職業である
私は、日本の手仕事の良さを人につたえ、
よりよい未来を創っていく事、これまでも、そしてこれからも
それに注力したいと思います。
引用:https://ameblo.jp/springshow/entry-11512856987.html
伝統と一言で言っても、その形だったり、色だったり、技だったり、思想だったり、さまざまです。また、その全てを合わせて伝統と言うのかもしれません。
伝統文化も伝統芸能も、リアルタイムで流行っていた時代があります。そして時間が経って、時代が流れ、いつしか”古いモノ”というカテゴリーに入ってしまいます。そうなんです、古くなるんです。時間を重ねることができるんです。
それは人の手が携わっているから。
AIは歳をとることができません。知識を増やすことはできても、時間とともにじんわりと染み入ったり、例えば声が低くなり雰囲気が柔なくなるなんてこともありません。
人一人とっても、色が変わっていきますよね。肌の色、髪の色、声の色。
それと同じように、本気で作ったものには命が宿ったかのように、時間とともに色合いが深まっていきますよね。
”日本の手仕事の良さ”の中には、作り手も作られたものも、一緒に歳をとっていく味わいという側面もあるのかなぁなんておもいました。
河原尚子が載った新聞
今年、2018年3月に河原さんが掲載された記事です。河原さんは自身のブランド「SIONE」で
”すべてのものに物語がある”
というコンセプトでものづくりをなさっているとのことで、日本の文化に新たなステージをもたらそうと日々過ごしていらっしゃるとのこと。河原さんのような芸術家や職人をサポートしようと、レクサスがバックアップしている様子が紹介されています。
出典 https://lexus.jp/brand/new-takumi/common/pdf/2017/list/takumi/kawahara-showko.pdf
こうやって、若い世代には敬遠されがちな日本文化ですが、たった一人の女性がコツコツ積み重ねていったことがいろいろな方や団体を動かしていっている、すごいことですよね。
まとめ
1.河原尚子さんのプロフィールは?
河原さんは京都の窯元に生まれた、二人のお子さんのお母さん。同志社女子短期大学卒業後、職業訓練校などで陶芸の基礎を学び、デザイン力を養うためWebデザイン会社に就職。2009年に自身のデザイン工房「SpringShow Studio」を設立。また2016年からは独自のブランド「SIONE」を立ち上げ、ショップの展開やカフェの運営などもしています。
2.河原尚子さんのお店「SIONE」について
京都市左京区に構えるショップとカフェの併設店。カフェでは河原さんが企画、デザインした食器でいただけるお菓子やお茶を提供しており。インスタではメニューの写真などが投稿されてます。そんなSIONEのお茶やお菓子は「お菓子丸」さんの商品。河原さんの器が表現している世界観に合うような、表現力豊かな四季折々の和菓子。こちらもインスタで多くのフォロワーから支持されているようです。
3.河原尚子さんのセブンルール
河原さんが普段大切にしている7つのことをご紹介しました。
- 1.器の余白を大切にする
- 2.成形は職人に任せる
- 3.職人に会うときはヒールを履かない
- 4.オリジナルソングで子育てする
- 5.2〜3ヶ月に1回、ウィスキーをたんまり飲む
- 6.やり方を押し付けない
- 7.やらないことリストを書く
4.河原尚子さんのモノ造りへの思いについて
河原さんのブログから、
- デザイナーという仕事は社会をよりよくするためにある職業であるという信念があること
- 日本の職人さんの手仕事を多くの方に知って触れて欲しいという思いがある
ということを引用しながらご紹介しました。
3.河原尚子さんが取り上げられた新聞:
京都新聞社が取り上げていた記事を紹介。こちらではこれからの日本文化を盛り上げてくれるの匠、職人をサポートするレクサスのプロジェクト。河原さんの陶器に対する思いや”すべてのものに物語がある”という信念をもって陶器や陶器を通した日本文化に向き合っている姿が取材されていた記事をご紹介しました。
さいごに
こういう方の活動を見ると
「すごいなぁ」「いいなぁ、成功してて」
とかって思ってしまうこともあります。でも、成功が約束されるかたやるわけじゃなくて、進む道、進もうと決めた道を歩いたら、そこにたどり着いたんですよね、きっと。
成功するまで諦めないから失敗しない、、、アインシュタインですっけ?言ってましたね。
世阿弥が言うところの”時分之花”(じぶんのはな)とは、若さを武器とした美しさ。怖いものなんてなーい!っていう、ちょっとした優越感とか、世間知らずなところも武器になる、強みになる。
でも”真の花”(まことのはな)は年輪のように、確かに自分の体と心で培ってきたもの。
社会では、年齢制限も性別制限もありますが、私の信念や夢という情熱に薪をくべながら、実直に歩んでまことの花を育てていきたいものです。
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